2025.01.30

【最新版】特定有害産業廃棄物とは?種類や分類される判定基準、リサイクル方法まで解説!

特定有害産業廃棄物とは、環境や人体に深刻な影響を与える可能性のある有害な物質を含む産業廃棄物です。適切に処理しないと、土壌や水質汚染、健康被害を引き起こす危険性があります。

この記事では、特定有害産業廃棄物の種類、分類される判定基準、そしてリサイクル方法まで解説しています。事業活動で産業廃棄物を排出するすべての事業者にとって必須の知識です。

特に、特別管理産業廃棄物との違いや、具体的な処理方法、よくある質問など、実務に役立つ情報をまとめていますので、ぜひ最後までお読みください。

特定有害産業廃棄物とは?

特定有害産業廃棄物とは?

産業廃棄物には多種多様な種類が存在しますが、その中には健康や環境に重大な影響を及ぼす可能性のあるものも含まれています。

特に注意が必要なのが、特別管理産業廃棄物や特定有害産業廃棄物と呼ばれる廃棄物です。これらは廃棄物処理法に基づき厳密に規定されており、廃酸や廃アルカリのような腐食性物質から、PCBや六価クロムなどの有害物質を含むものまで、その種類は多岐にわたります。

特定有害産業廃棄物はさらに高い有害性を持つ物質を含む廃棄物として分類され、適切な処理が求められます。排出者は、こうした廃棄物の特性を十分に理解し、法律に基づいた対応を徹底することが必要です。

参考:特定有害産業廃棄物一覧表

特定有害産業廃棄物の種類

特定有害産業廃棄物の種類

特別管理産業廃棄物の中で、特定有害廃棄物は特に取り扱いが重要とされています。この廃棄物には11種類があり、代表例としてPCBを含む廃油やPCB汚染物、水銀を含む廃棄物、指定下水汚泥などが挙げられます。

これらは、環境省の基準に基づき厳密に管理されなければなりません。例えば、PCB汚染物は紙くずや木くず、金属くずなど多岐にわたり、処理時には特別な基準が適用されます。

また、廃水銀や石綿建材も同様に、環境や人体に深刻な影響を与える可能性があるため、適切な処理が不可欠です。これらの廃棄物の管理には、法令遵守が求められるだけでなく、発生元での詳細な把握と責任ある対応が重要です。

参考:特定有害産業廃棄物一覧表

特定有害産業廃棄物に分類される判定基準

特定有害産業廃棄物に分類される判定基準

特定有害産業廃棄物に該当するかどうかは、いくつかの重要な条件によって判断されます。具体的には、廃棄物の種類が特定有害産業廃棄物に含まれるかどうか、排出元の業種や施設が規定された条件に該当するか、さらに廃棄物中の有害物質の濃度が基準値を超えているかが確認されます。

これらの条件をすべて満たす場合に、特定有害産業廃棄物と認定されます。特に「燃え殻」や「ばいじん」などは、特定の施設で生成されることが多く、該当する業種や処理基準が細かく規定されています。また、これらの基準は「廃棄物処理法施行規則」や関連省令に基づき、検出された有害物質の種類や量によって詳細に判定される仕組みです。

参考:廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法) | 環境再生・資源循環 | 環境省

特定有害産業廃棄物のリサイクル方法

特定有害産業廃棄物のリサイクル方法

特定有害産業廃棄物にはいくつかの種類がありますが、その中でもリサイクルが積極的に行われているものについて、その方法を解説します。

廃油

廃油は適切な処理を行うことで再利用が可能です。例えば、油水分離や遠心分離を用いて燃料として再活用する方法があります。

また、化学反応を利用することで、石けんの原料として使用することもできます。ただし、特別管理産業廃棄物に該当する廃油の場合、より厳格な管理や処理が求められるため、処理方法については自治体や所管の行政機関に確認することが重要です。環境への配慮を怠らず、適切な手続きを踏むことが求められます。

廃酸・廃アルカリ

廃酸や廃アルカリは一般的に中和処理や焼却処理が行われますが、近年ではリサイクルの取り組みも進んでいます。

例えば、廃酸を中和剤として利用したり、不純物を冷却して結晶化させる方法で再利用するケースがあります。また、中和反応による沈殿物から金属を回収する技術も活用されています。

一方、廃アルカリは水素を生成する技術が開発され、その後の廃液も資源として利用されています。これらの廃棄物が特別管理産業廃棄物に該当する場合や、有害物質の濃度が一定基準を超える場合には、特定有害産業廃棄物としての取り扱いが必要です。処理方法については、自治体や所管機関への確認が求められます。

廃PCB類

廃PCB類の処理は、その濃度に応じて異なる手法が採用されています。高濃度PCB廃棄物は、PCB特別措置法に基づき、JESCOによる専用施設で処理されます。処理には脱塩素化分解や水熱酸分解、プラズマ分解、高温焼却などの技術が用いられ、無害化した後に特性に応じてリサイクルが行われます。

一方、低濃度PCB廃棄物は、無害化処理認定施設や自治体の許可を受けた事業所で対応されます。これらの廃棄物は主に焼却、洗浄、分解などの方法で処理され、環境や人体への影響を最小限に抑えた安全な処理が求められます。適切な処理を行うことで、リサイクル可能な資源として再利用されることが重要です。

特定有害産業廃棄物の収集運搬基準

特定有害産業廃棄物の収集運搬基準

特別管理産業廃棄物を収集・運搬する際には、法令で定められた厳格な基準を遵守する必要があります。運搬中の飛散や流出を防ぐことはもちろん、悪臭や騒音が周辺環境に与える影響にも配慮することが求められます。

また、廃棄物の種類ごとに区分して運搬し、感染性廃棄物については密閉容器を使用することが必須です。さらに、積替保管についても適切な管理が求められ、保管量は搬出日量の7倍以内に制限されます。

これらの基準を守ることで、廃棄物が環境や人々の健康に悪影響を及ぼさないよう徹底した管理が行われます。運搬者は、必要な文書の携行や施設設置時の環境配慮を怠らず、法令に基づいた対応を行う必要があります。

参考:特別管理産業廃棄物の処理基準の概要 | 環境再生・資源循環

トムコの「特殊車両の早期収益化」サービスとは?

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特定有害産業廃棄物でよくある3つの質問

特定有害産業廃棄物でよくある3つの質問

特定有害産業廃棄物についてより理解を深めるためにも、よくある質問についてみていきましょう。

質問1.特別管理産業廃棄物と特定有害産業廃棄物の違いは?

特別管理産業廃棄物の中には、特に有害性が高い物質を含むものが存在し、それらが特定有害産業廃棄物として区別されています。重金属やPCB、ダイオキシンといった物質を含む廃棄物は、環境や人体への影響が大きく、厳密な管理が求められます。

特定有害産業廃棄物は、特別管理産業廃棄物の一部として位置づけられ、その分類を理解する際には、この関係性をイメージすることが役立ちます。この区別に基づき、それぞれの廃棄物に応じた適切な処理や対応が必要です。

質問2.特別管理産業廃棄物管理責任者とは?

特別管理産業廃棄物管理責任者は、特別管理産業廃棄物の適切な処理を確保するために事業場に配置される重要な役割を担います。この責任者は、感染性や毒性、爆発性を持つ廃棄物が発生する事業場で、排出状況の監視や処理計画の作成などを行います。

選任には一定の資格や経験が必要で、特に感染性廃棄物に関しては、医師や薬剤師など特定の資格保有者や、環境衛生指導員としての経験を持つ者が要件となります。法に基づき設置が義務付けられており、違反した場合には罰則が科されるため、事業者は適切に対応することが求められます。

参考:特別管理廃棄物規制の概要 | 環境再生・資源循環

質問3.判定基準として該当していないものは普通産業廃棄物でいい?

特定有害産業廃棄物に該当しない場合、その廃棄物は法律上、普通産業廃棄物として分類されます。ただし、有害物質を含む可能性がある場合、安全面を考慮して特定有害産業廃棄物として処理されることも少なくありません。

このようなケースでは、適切な処理方法を選択するために、行政機関や専門業者に相談することが重要です。法律上の分類だけでなく、環境や健康への影響を総合的に考慮して対応することで、無用なリスクを回避し、適切な廃棄物管理を実現することが求められます。

まとめ

まとめ

本記事では、特定有害産業廃棄物の種類、分類される判定基準、そしてリサイクル方法について解説しました。廃油、廃酸・廃アルカリ、廃PCB類など、具体的な種類を挙げながら、それぞれの特性を理解する上で重要なポイントを説明しました。これらの情報を理解することで、適切な処理を行い、環境保護に貢献できるよう努めましょう。

なお、トムコでは架装や修理・部品調達まで、お客様のニーズに合わせたサービスを提供しています。「特殊車両の導入を検討しているが、時間や費用、専門知識などの課題を抱えている」や「スポットの運行や作業が多く、新車導入の費用対効果が見込めない」といったお悩みをお持ちのお客様は、ぜひトムコの「特殊車両の早期収益化」サービスをご検討ください⇛トムコに相談する

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