2025.02.06

パッカー車(塵芥車)とは?圧縮形式や排出形式、サイズの種類を詳しくご紹介!

ゴミ収集の現場でよく見かけるパッカー車。その仕組みや種類、必要な免許など、意外と知らないこ

とが多いのではないでしょうか。そこで本記事では、パッカー車(塵芥車)の圧縮方式や排出方式、サイズといった基本的な情報から、よくある疑問まで分かりやすく解説します。パッカー車について知りたい方、これから購入・運転を検討している方は必見です。

パッカー車(塵芥車)とは?

パッカー車(塵芥車)とは?

パッカー車は、日本では一般的に「ゴミ収集車」として知られていますが、正式には塵芥車(じんかいしゃ)と呼ばれています。この車両の特徴は、廃棄物を投入後に自動的に圧縮して収納する機能を持つことです。

「パッカー車」という名称は英語の「Pack(詰め込む)」に由来する和製英語であるため、海外ではこの名称が使われることはほとんどありません。英語圏では「Garbage truck」や「Trash truck」という表現が一般的です。

また、パッカー車はその特性上、一般の貨物自動車とは異なる特種用途自動車として分類されており、車両登録では8ナンバーに該当します。このように、パッカー車は廃棄物収集の効率化を目的として設計された特別な車両です。

パッカー車(塵芥車)の圧縮形式や排出形式の種類

パッカー車(塵芥車)の圧縮形式や排出形式の種類

パッカー車は、ゴミを効率的に収集するために様々な圧縮方式を採用しています。代表的な圧縮方式を以下にまとめました。

圧縮板式(プレス式)

圧縮板式(プレス式)は、ごみを効率的に収集・運搬するために設計された仕組みです。この方式では、投入口に投入されたごみを圧縮板が押しつぶし、小さく圧縮してから荷箱に移動させます。

圧縮力が高いため、家庭ごみだけでなく、大型の家具や家電も細かく処理することが可能です。この圧縮プロセスにより、積載量を大幅に向上させることができ、一度に多くのごみを運ぶことができます。

また、生ごみを圧縮する際に発生する汚水は、専用の汚水タンクに収集される構造となっており、衛生的な運用が可能です。この仕組みは、家庭ごみ収集車に幅広く採用され、効率的な廃棄物管理を支える重要な技術です。

回転板式(巻き込み式)

巻込み式は、回転する板を用いて投入されたごみを荷箱に押し込む仕組みを持つごみ収集車の方式です。この回転板が回転することでごみを連続的に中に送り込むため、効率的に収集作業を進めることが可能です。

一方、圧縮力はそれほど強くなく、大型の家具や家電の処理には適していません。そのため、この方式は主に家庭用のごみ、木くず、繊維くずといった比較的軽量で砕く必要のないごみの回収に活用されています。

シンプルな構造を持つため、使いやすく、造園業や一般のごみ収集業者にも多く利用されています。圧縮板式ほどの圧縮力はないものの、効率性とコスト面での利点が評価されています。

荷箱回転式(ロータリー式)

荷箱回転式(ロータリー式)は大型の円柱状ドラムが回転することで、ごみを荷箱に運び込む仕組みを持つ収集車の一種です。この方式では、ドラムが常に回転しているため、ごみを継続的に投入できるのが特徴です。

構造がシンプルであることから、清掃が容易で、水分を多く含むごみの回収に適しています。ただし、圧縮力が低いため、一度に運べるごみの量は限られます。このため、少量のごみを効率よく収集する用途に向いています。

また、特殊な構造を持つため、中古市場で見つけるのが難しい車両でもあります。この方式は効率性と簡便性を重視した収集作業に活用されています。

押し出し式

押し出し式は、荷箱内部に設置された排出板を動かしてごみを押し出す仕組みの方式です。この方式では、まず投入口部分のテールゲートを開け、その後排出板が荷箱の奥から手前に移動することでごみを押し出します。

荷箱全体を傾ける必要がないため、効率的かつ安全にごみを排出できるのが特徴です。また、排出力が高いため、大量のごみや圧縮されたごみでもスムーズに排出可能です。

この仕組みは、圧縮板式(プレス式)のパッカー車に採用されることが多く、廃棄物処理の現場で重要な役割を果たしています。

ダンプ式

ダンプ式は、荷箱を傾けることでごみを排出する仕組みを持つ方式です。この方法では、荷箱全体を持ち上げることで中のごみが自然に滑り落ちるように排出されます。

そのため、押し出し式のような強制的な排出力はありませんが、シンプルな構造で運用しやすいのが特徴です。

ただし、細かいごみが完全には排出されず、荷箱内に残ることがあるため、軽量で大きめのごみの収集に適しています。このダンプ式は特に、木くずなどを収集する回転式パッカー車で多く採用されており、軽量な廃棄物の効率的な収集に活用されています。

パッカー車(塵芥車)のサイズ

パッカー車(塵芥車)のサイズ

パッカー車には小型・中型・大型の3つのサイズがあり、用途や収集エリアによって使い分けられています。小型車は、狭い住宅街など小回りが必要な場所で利用されることが多く、一般家庭のごみや事業ごみの収集に適しています。

一方、中型車は広い道路や収集量が多いエリアでの使用に向いており、一般廃棄物や産業廃棄物を含むごみを効率的に収集します。どちらも最大積載量は約2tで、ごみ袋1,000袋程度を運ぶことが可能です。

大型車は、工場などから排出される大量のごみを収集するために使われ、最大積載量は4t以上に及びます。ただし、大型車は特定の業者や用途に限定されるため、街中で見かけることはほとんどありません。

トムコの「特殊車両の早期収益化」サービスとは?

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パッカー車(塵芥車)でよくある3つの質問

パッカー車(塵芥車)でよくある3つの質問

パッカー車に関するよくある質問をまとめました。購入や利用を検討されている方は参考にしてください。

質問1.パッカー車の主な架装メーカーは?

パッカー車の主な架装メーカーは次のとおりです。

新明和工業株式会社  

新明和工業株式会社は、日本有数の輸送機器および産業機器メーカーで、パッカー車市場において圧倒的な存在感を持っています。「G-PX」や「G-RX」などの高性能なパッカー車を取り扱い、2012年には富士重工業の塵芥収集車事業を統合し、業界で約60%のシェアを誇ります。  

極東開発工業株式会社  

特装車の総合メーカーである極東開発工業株式会社は、圧縮式「プレスパック」や回転式「パックマン」、都市型ごみ収集車「スライドパック」など、多種多様なパッカー車を提供しています。ダンプトラックやタンクローリーの架装も手がけ、幅広い車両ニーズに応えています。  

株式会社モリタエコノス  

モリタグループの一員である株式会社モリタエコノスは、2001年に設立された環境車両部門です。「プレスマスター」や「パックマスター」といったモデルを展開し、特装車両分野で活躍しています。  

富士車輌株式会社  

富士車輌株式会社は、「ロータリープレス」や「APLASTAR」など、先進的なパッカー車を製造する企業です。1925年創業の歴史を持ち、環境機械分野で独自の地位を築いています。

質問2.パッカー車を運転するために必要な免許は?

パッカー車の運転には、車両のサイズに応じた運転免許が必要です。多くの車種は「中型免許」で運転できますが、家庭ごみの収集で使用される2トンサイズのパッカー車であれば「準中型免許」での運転も可能です。

ただし、業界で主流となっているのは3トンや4トンのパッカー車であるため、準中型免許では運転できない場合があります。特に、企業や自治体が小型のパッカー車を保有していない場合、これらの中型以上の車両を運転するためには中型免許が必須となります。免許の種類と対応する車両の確認を事前に行うことが重要です。

参考:準中型免許と運転可能な車種について – 埼玉県警察

質問3.パッカー車の使用時に注意が必要な事故は?

パッカー車は、正しい取り扱いが求められる特殊車両であり、安全対策を徹底しなければ事故のリスクが高まります。特に注意すべき点の一つは、作業員が投入口に巻き込まれる事故です。

ごみを圧縮する際の強い力が働くため、作業中に手や体が誤って投入口に入ると重大な事故につながる恐れがあります。作業中は必ず投入口から離れ、点検や清掃を行う際はエンジンを完全に停止することが必須です。

また、不適切なごみの収集による火災事故も懸念されています。スプレー缶やリチウムイオン電池が発火の原因となりやすく、実際に荷箱内での火災が発生した事例も報告されています。これを防ぐため、作業員の教育だけでなく、ごみを出す住民への適切な分別指導も重要です。

まとめ

まとめ

パッカー車(塵芥車)は、私たちの生活環境を清潔に保つ上で欠かせない特殊車両です。圧縮方式や排出方式、そして車両サイズなど、様々な種類が存在し、それぞれの自治体や用途に最適な車両が選択されています。
なお、トムコでは架装や修理・部品調達まで、お客様のニーズに合わせたサービスを提供しています。「特殊車両の導入を検討しているが、時間や費用、専門知識などの課題を抱えている」や「スポットの運行や作業が多く、新車導入の費用対効果が見込めない」といったお悩みをお持ちのお客様は、ぜひトムコの「特殊車両の早期収益化」サービスをご検討ください⇛トムコに相談する

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