
粉粒体運搬車は、粉粒体を安全かつ効率的に運ぶために欠かせない特殊車両です。本記事では、粉粒体運搬車の5つの種類(エアスライド式、ダンプ併用式、セミトレーラー、飼料運搬車、エアレーションブロー式)や構造、粉粒体運搬車によくある質問、そして特殊車両の早期収益化サービスについてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
粉粒体運搬車とは?
粉粒体運搬車は、主に粉状や粒状の貨物を効率的に運搬するための特殊な車両です。この車両は、プラスチック原料である化学素材のペレットや、砂糖や小麦粉といった食品原料の輸送によく使用されます。
運搬時には、タンク上部の開口部から粉粒体を積み込みます。荷降ろしの際は、専用の装置で圧縮空気をタンク内部に送り込みます。
この空気の流れにより粉粒体が混合され、タンクからホースを通じて排出される仕組みです。これにより、効率的かつ安全に粉粒体を目的地へ届けることが可能です。

粉粒体運搬車の主な種類は5つ
粉粒体運搬車は、運搬方式や粉粒体の種類によっていくつかの種類に分けられます。代表的な種類としては、エアスライド式、ダンプ併用式、セミトレーラー、飼料運搬車、エアレーションブロー式の5つがあります。それぞれの特徴や用途を詳しく見ていきましょう。
1.エアスライド式
粉粒体の運搬において自然排出が非効率なケースが多く、エアスライド方式が広く利用されています。この方式では、タンクの底部にある特殊な布目から空気を送り込み、粉粒体を流動化させることでスムーズな排出を実現します。
特に、セメントやフライアッシュといった流動性の高い微粉末の移動に適しており、タンク構造には一室傾胴型が採用されることが一般的です。この構造では、排出操作が一か所で完結するため、作業効率の向上にも寄与します。
2.ダンプ併用式
食品原料である小麦粉やグラニュー糖などの粉粒体輸送に適したダンプ式のバルク車は、タンクを傾けて中身を自然落下させる仕組みを採用しています。タンク内部の粉粒体は自重によってスムーズに排出され、操作も簡単で効率的です。
油圧を用いたタンクの傾斜により、粉粒体は後方へ流れ、ホースを通じてサイロなどに移されます。残留物が発生した場合は、タンクを叩いたり手作業を補助的に行うことで完全排出が可能となります。このシンプルな構造により作業性が高く、メンテナンスも容易です。
3.セミトレーラー
トレーラー型の荷台を持つ車両は、大量輸送や長距離輸送に非常に適した選択肢です。これにより、一度に多くの荷物を効率よく運べます。
ただし、この車両を操作するには牽引免許が必要です。取得には努力を要しますが、資格取得後は活躍の場が広がります。
4.飼料運搬車
飼料運搬車は、家畜の飼育に欠かせない飼料を効率よく運ぶために設計された専門車両です。この車両は、飼料を製造工場から直接農場へ届け、農場内のサイロにスムーズに投入できるように工夫されています。
一部のモデルではスクリューコンベアが搭載されており、飼料をタンクからサイロの上部まで持ち上げる仕組みが採用されています。また、タンク内部が複数の区画に分けられているため、異なる種類の飼料を一度に運搬することも可能です。
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5.エアレーションブロー式
エアレーションブロー方式を採用した車両は化学薬品やセメント、石灰など、多種多様な粉粒体の輸送と排出に適した機能を備えています。この方式では、タンク底部の漏斗状の構造と空気圧を組み合わせることで、粉粒体をスムーズに長距離や高所に排出が可能です。
また、ホースを使用して排出先を柔軟に設定でき、現場の状況に応じた運用が容易です。粗粒子の取り扱いにも優れ、効率的かつ多目的に利用できるのが特徴です。

粉粒体運搬車の構造
粉粒体運搬車は用途や粉粒体の性質に応じて多様な設計がされています。基本的な構造として、粉粒体を上部から投入し、下部から排出する仕組みが特徴です。
上部には約50cmのマンホールが設けられ、粉粒体の投入がスムーズに行えるよう工夫されています。排出方法は、コンプレッサーを使用して強制的に排出するタイプが一般的ですが、エアスライド式やエアレーションブロー式といった空気を活用する方式を採用するケースも少なくありません。
また、ダンプ式の運搬車ではタンクを傾けることで重力を利用し、効率的な排出をサポートします。これらの設計により、粉粒体の輸送と排出が安全かつ効率的に行える仕組みが実現されています。

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粉粒体運搬車とはでよくある3つの質問
ここでは、よくある3つの質問とその回答をまとめました。資格やメーカー、注意点など、粉粒体運搬車に関する理解を深めるためにぜひ参考にしてみてください。
質問1.粉粒体運搬車の運搬に必要な資格は?
トラックを運転する際は、その車両のサイズに応じた運転免許の取得が基本条件となります。しかし、運搬する貨物の種類によっては、さらに特別な資格が必要になる場合があります。
例えば、プロパンガスを扱う場合、整備や点検、販売を行うには「保安業務員」や「液化石油ガス整備士」の資格が求められます。加えて、これを輸送するには「高圧ガス移動監視者(液化石油ガス)」の資格が必要です。このように、積載物ごとに異なる条件があるため、運行前に必要な資格を確認して準備を整えることが重要です。
参考:液化石油ガス設備士講習
質問2.粉粒体運搬車を製造する代表的なメーカーは?
バルク車の製造を手掛けるメーカーの多くは、架装を専門とする企業です。その中でも、極東開発工業や新明和工業、カヤバ(KYB)、昭和飛行機工業といった名前は特に広く知られています。これらのメーカーは、高い技術力と品質で信頼を得ており、様々な用途に対応したバルク車を提供しています。
質問3.粉粒体運搬車で運搬する際の注意点とは?
粉粒体運搬車の利用にはいくつかの注意点があります。まず、前回運搬した粉粒体の残留物が次の荷物に影響を与えないよう、荷役前に徹底した清掃が必要です。
また、運搬中の安全性を確保するため、荷台内で粉粒体が適切に固定されていることを確認し、運送中の落下や転倒を防ぐ対策を講じることが求められます。
特に危険物の輸送時には、必要な許可書や標識の準備を行い、配達先への詳細な情報提供を怠らないことが重要です。このように、安全で効率的な輸送を実現するには細心の注意を払い、適切な取り扱いの徹底が不可欠です。

まとめ
本記事では粉粒体運搬車の種類や構造、よくある質問について解説しました。粉粒体運搬車は、エアスライド式、ダンプ併用式、セミトレーラー、飼料運搬車、エアレーションブロー式など、さまざまな種類があり、それぞれに適した粉粒体や用途があります。
トムコは粉粒体運搬車の販売だけでなく、架装や修理・部品調達まで、お客様のニーズに合わせたサービスを提供しています。「特殊車両の導入を検討しているが、時間や費用、専門知識などの課題を抱えている」や「スポットの運行や作業が多く、新車導入の費用対効果が見込めない」といったお悩みをお持ちのお客様は、ぜひトムコの「特殊車両の早期収益化」サービスをご検討ください⇛トムコに相談する
